40歳すぎて1型糖尿病になりました。

1型糖尿病になって変わった生活を記録しました。

Dexcomとの出会い

2021年5月中旬。

糖尿病生活をスタートして1ヶ月が経ち、低血糖になっているときの身体の具合が感覚的に分かるようになってきた。

外食してお酒飲んで好きなものを飲み食いしてどうなるか、間食して運動量を増やしたらどうなるか、糖質を抑えた食事でインスリンを打たずに過ごせるか、など色々と自分の身体を使って状況に応じたインスリンの打つタイミング、量、刺すお腹の位置など試しながら分析した。

3食とも糖質を抑えた食事であれば、インスリンを打たなくても高血糖になることはなく、お腹が空いていなければ食事を抜いてインスリンを打たなければ安定するし、運動すれば血糖値が上がるのを抑えることも分かった。

大きな失敗としては、外食するときに事前に家でインスリンを打ってから店に向かい、すぐにお酒を飲んだら低血糖でぶっ倒れそうになったことだ。この結果を受けて外食するときは食後にすぐインスリンを打つ、低血糖のときにお酒は飲まない、といったことを学んだ。

 

2021年5月下旬。

二度目の定期通院で、採尿、採血を行ったところ、インスリン治療の成果で少しずつ正常な値になっていると担当医から告げられる。このとき、都度血糖値をプスプスで測ってみると血糖値の動きが分からないから分析できないと担当医に相談したところ、Dexcomを紹介される。

同日、Dexcomの製品説明を受けて即座に使いたいと依頼した。これはお腹にセンサー(トランスミッター)を取り付けて、レシーバーで定期的に血糖値を受信するといったもので、1週間に一度の交換で風呂に入るときも取り付けたままで過ごせるといった代物だ。

取り付け方のレクチャーを受けてそのデバイスを受け取った後、診察料(約2万円)や処方箋で出されたインスリンや針などの料金(約3千円)を支払いお腹にDexcomを付けた状態で帰宅。なかなかの出費… 毎月かかるのかと思うとため息が出るが仕方がない。

https://mds.terumo.co.jp/guideline/pdf/dexcom_g4_platinum_03.pdf

カーボカウントとインスリン量の計算

2021年4月下旬。

退院して糖尿病生活がスタートしてから2週間。朝昼夕の食事前に血糖値を測る、朝食前には持続型インスリンを7単位、即効型インスリンを7単位、昼食前と夕食前には即効型インスリンを5単位打つといった生活サイクルに少しずつ慣れてきたところで、退院後初の定期通院に向かった。

実は退院時に担当医から持続型インスリンは毎日7単位、即効型インスリンは朝10、昼7、夕7の単位を打って、その量に合わせて食事量を調整するよう指示を受けていたが、初めの3日は指示通りにしていたところ、低血糖で指が震えたりとインスリン量が合わなかったため、試行錯誤で自分に合った朝7、昼5、夕5というインスリン量をみつけたのだ。

病院に着いて担当医に状況を報告し、自分に合ったインスリン量を見つけることは良いことだと言われたので、量を調節するのは問題ないようだ。むしろ食材のカーボカウントを確認して、その量に合わせて計算してインスリンが打てるようにとのことだったため、今後は自分の身体に合ったインスリン・カーボ比で計算してインスリンの量を調整しようと思う。

 

私のインスリン・カーボ比は、朝:1.3、昼:0.7、夕:0.7 となるため、糖質(炭水化物)が60g (6カーボ)の食事の場合、朝食なら 1.3 × 6 = 7.8単位のインスリン、昼食と夕食なら 0.7 × 6 = 4.2単位のインスリンを打つことになる。

私の場合は完全にインスリンが分泌されなくなったわけではなく、通常の1/4程度は分泌されているとのことでこの値になっている。

 

コンビニなどで食べ物を買うとき、必ず炭水化物の量を確認するクセがついた。

はじめての糖尿病生活。

入院8日目。

この頃には後輩②、③が入室してきて4人部屋は満員になっていた。いずれも年齢では先輩であろう男性で、後輩②は以前に入院していたらしく、看護師さんと親しく会話している。聞き耳を立てていたら別の看護師さんがやってきて、糖尿病についての座学を行うので所定の場所に向かうよう案内される。

座学では、糖尿病とインスリンのメカニズム、高血糖低血糖の状態で起きる身体への影響、適度な運動の効果と運動方法について学んだ。

 

入院9日目。

入院当初、2〜3週間の入院を告げられていたが、担当医に仕事の都合もあってなるべく早く退院したい思いを伝えたところ、3日後に退院できることになった。この頃には手際良く自分で血糖値を測って、インスリン注射を打てる状態にまでなっていたため、退院しても問題ないと判断してもらえたようだ。

 

入院10日目。

血糖値を測るための指へのプスプス、インスリン注射を打つためのお腹へのプスプスに慣れてきたことで気持ちに余裕が出たのか、これをずっとやり続けないといけないことに不安を覚え、どうにかしてこの負荷を軽減できないものかインターネットで調べたところ、お腹に取り付けることで血糖値を測り続けたり、少量のインスリンを定期的に投入し続けるデバイスがあることを知る。

 

入院11日目。

退院まであと一日、やっと帰れる。早く家に帰りたくてワクワクする。頭は悪くない方なので、糖尿病生活をどう送るべきか、カーボカウントインスリン・カーボ比、効果のある運動方法を調べて食事の際のルーティンを考えた。まずはじめたのは食後1時間以内にスクワット60回、脚の上げ下げによる昇降運動60回、腹筋60回、背伸び30回を1セットとして行う。

 

入院12日目。

担当医との面談。退院後の注意事項や月一度の通院、朝昼晩で打つベースとなるインスリンの量について説明を受ける。退院前にインスリンを定期的に投入し続けるデバイスをメーカーの方が説明してくれるというから、場所を教えて説明を受ける。現物を目にしたとき、あまりにもデバイスが大きく、これを常に身につけておくことを考えたら厳しいと判断し、導入しないことにした。そして無事に退院し、はじめての糖尿病生活がスタートしました。

はじめてのインスリン注射。

入院5日目。

4人部屋に私以外の入院患者がきた。後輩①と勝手に名付ける。ただ、年齢は60歳を超えていそうだ。誰にも気を遣わない1人の生活とのお別れに寂しさを覚える。この頃には大分入院生活にも慣れてきて、風呂の予約や広場でのテレビ鑑賞など自由に行動するようになっていた。

 

入院6日目。

担当医が現れた。精密検査の結果が分かったとのことで病名が告げられる。

「急性発症1型糖尿病ケトーシス

大変残念ながら1型糖尿病です、ずっと付き合っていく病気となりますが、インスリンさえ打っていれば食事制限もすることなく今までと変わらない生活を送ることができるので、血糖値コントロールを頑張ってできるようにしましょう、と説明を受ける。「うそやん…」

 

入院7日目。

看護師さんから、血糖値測るための指へのプスプスとインスリンのお腹へのプスプスをこれから自分でやってください、と指示を受ける。プスプスプスプスの看護師さんからの自立。この頃には血糖値も食前に測るといったペースになっていた。指へのプスプスは大丈夫だけど、お腹へのプスプスは怖くてなかなか自分で刺せない!プスプスへの恐怖からのプルプル。体感1分、刺せずに止まる。持続型と即効型のインスリンを一日に計4回、朝昼晩の食事前に自ら打つ生活がスタートしました。

はじめての入院生活。

40歳を過ぎてはじめての入院一日目。

最安値の6人部屋を希望したところ、コロナの影響かベッドに空きがなくて4人部屋に案内される。患者は私だけでカドの窓際にあるベッドを使わせてもらい、居心地は悪くない。

だけども腕には点滴がつけられ24時間ずっと外せないため、トイレに行くときもお供できるようキャスター付きの少しもオシャレとは思えない機器をベッド近くに設置される状況…。

とにかく疲れたからすぐ寝る、でも1時間ごとに看護師さんに起こされては血糖値測るため指にプスプス針を刺されては血を採取。気が滅入ったけど、看護師さんも昼夜問わず頻繁におじさんの指にプスプス穴あけるなんてなかなかしんどいだろうな、と感謝しながら就寝。

 

入院2日目。

はじめての病院食を出される。点滴で血糖値を下げて、食事でエネルギーを作り出すためしっかり食べてと指示を受ける。そんな時に限って嫌いなタケノコの登場…。なんでこういうときにノコノコと現れるのか、他の食材と一緒に口いっぱいに詰め込んで食べた。そのときの顔はとてもSNSには晒せないレベルと診断。

 

入院3日目。

病名の診断結果を待つ間、色々と糖尿病についてインターネットで調べる。糖尿病には1型と2型があることを知る。一般的には2型が多く、生活習慣を改善すれば治ることが分かったので安心する。ただ気になるとすれば、食生活の乱れによる肥満が原因と書かれているが、言うほど肥満じゃない…。一方で1型は少なく、発症原因はウイルスとも言われているが明確には分かっておらず、すい臓が血液中の糖分を細胞へ取り込むインスリンといわれるものが分泌されなくなる、といった症状で治らないと書かれてる。一抹の不安を覚える…。

 

入院4日目。

とうとう点滴が外されインスリン注射と対面。血糖値を測るのに指にプスプス、そして今度はインスリンを打つのにお腹にプスプス。女性の看護師さんに私のだらしないお腹を見せてプスプスされる姿は、ワンチャン可愛いかもしれない。プスプスプスプスと一日に何回針を刺すんだと内心思いながら、食事前にインスリンを打つ生活がスタートしました。

はじめての糖尿病。

2021年2月下旬。

仕事中、すぐに喉が渇いてはじめはジュースなど甘いものをがぶ飲みしていたけど、徐々にお茶や水を飲むようにして喉を潤す。

 

2021年3月上旬。

だんだん喉の渇きと頻尿がひどくなって、勤務時間中に500mlペットボトルの飲み物を5つ以上購入しては飲み尽くすようになっていった。

 

2021年3月中旬。

家族とシュラスコを食べに行ったところ、異常に喉が渇いて1時間の間にジュースを5回程おかわりして飲んだら、お腹の奥の方がズキズキし始め、真っ直ぐに立っていられなくなるくらい痛くなりすぐに帰宅。(ただの食べ過ぎかも…)

 

2021年3月下旬。

仕事中、何度も睡魔に襲われて、打合せ中や資料作成しながら意識が朦朧となることが度々あり、この頃から身体の怠さ、倦怠感がひどくて出勤がしんどくなってきたことから、近くの内科に行く。

すぐに採血、採尿してしばらく結果を待っていたところ、尿検査の結果で糖尿病の恐れありと診断される。翌日に血液検査の結果を聞きに病院へ行ったところ、近くの大学病院へ行くよう紹介状を渡され、その足ですぐに向かった。

 

2021年4月上旬。

大学病院にて診察を受けると、再度採血、採尿を行い結果を待つ。しばらくすると呼び出されて、お医者さんから「すぐに入院が必要です」と言われてパ、パニック。

血液検査の結果、血糖値が500を超えていた高血糖状態で、合併症を起こす危険があると診断され言われるがままに緊急入院へ。

 

入院となったその日、造影剤(投与されたらめちゃくちゃ身体が熱くなる)を使ったCTなどを行い、ベッドに着く頃には大分遅い時間になっていた。疲れたしお腹空いたけど食事は抜きで点滴を打たれ、1時間ごとに血糖値を測るというルーティンで、夜中も起こされてはプスプスと指に穴を開けられ血糖値を測る入院生活がスタートしました。